トレーニング・デイを観たよ

2001年公開。監督はアントワーン・フークワ。出演はデンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク。ジャンルはアクション、クライム。

本作の主演を務めるのは新米刑事のジェイク・ホイト(イーサン・ホーク)と荒削りのベテラン刑事アロンゾ・ハリス(デンゼル・ワシントン)です。「警察の仕事なんて楽勝だぜ！次は麻薬取締役かぁ！まー俺の出世街道は一直線だしここで一丁花咲かせたるかぁ！」と希望に満ち溢れている新米刑事ホイトですが、そんな希望は先輩刑事ハリスと出会ってから急降下していきます。まさにジェットコースターのように下り坂です。

はじめて出会うレストランの会話ではジェイクは子ども扱いです。はじめてここで現実を知らされるのです。

ハリス「何か面白い話はねぇのか？」

ジェイク「うーむ・・・」

ハリス「俺が今読んでる新聞の8割はデタラメだでも読んでるのは面白いからだ。お前もなにか面白いことを言ってみたらどうだ」

ジェイク「えーっとですね・・・」

きっともう少し話の分かってくれる人だって思っていたのでしょう。しかしそうはいきませんでした。刑事着任から呆気に取られてしまうジェイクでしたが、ハリスのあまりに強引かつ傍若無人な仕事ぶりに次第に疑念を抱いていきます。

ジェイク「俺が警官になった理由は悪いやつを捕まえることだ！なのにこいつはなんだ！警官のくせに裏金まで巻き上げてなんて非情な奴なんだ！悪いのはこいつじゃないか！」

ロスのストリートギャングたちの縄張りでは麻薬の製造が行われており大金を持つギャングたちが大勢いました。そこと癒着しているハリスに対しジェイクは真っ向勝負を挑むのです。型破りな先輩刑事と対立する主人公の後輩刑事という設定はいくつもありますが、大体の場合は主人公が折れ先輩のやり方を踏襲していくものが殆どでした。しかし、本作の特徴としては先輩刑事と真っ向勝負を仕掛けるという「お前ら警官同士で何やってんねん！」というタイマンバトルが見所なのです。確かにハリスはあまりにも強引ではありますが、警察とギャングの癒着はよくあることです。どこの国もそうです。日本だってそう。ギャングたちが麻薬製造をできる環境というのは麻薬取締役によって保たれていると言っても過言ではないと思うんです。

でも本作のラストシーンのハリスの最後はあまりにも唐突であり哀れでした。悪いことをすれば当然の報いがあるという教えなのかもしれないですね。そんなハリスはその男凶暴につきの我妻やこち亀の両さんのように、やることなすことむちゃくちゃなアナーキーデカな訳ですよ。きっとジェイクのような真面目一筋の人間には肌が合わなかったのでしょう。冒頭のレイプ犯を捕える頃はジェイクも「あれ、こいつやりすぎじゃね？俺が来るとこじゃなかったんちゃうか」と不安を募らせながらもはっちゃけますが、「いや、やっぱり違う！俺はこの人のやり方に賛成できひん！」と決意を固めるのでした。横暴な先輩さんもこのように後輩のこと考えてあげないといつしか足元すくわれることになるかもしれんので気をつけなあきまへんな。てな事で明日またお会いしましょう。