孤狼の血 LEVEL2を観たよ

2021年公開。監督は白石和彌。出演は松坂桃季、鈴木亮平、村上虹郎、西野七瀬、音尾拓真、早乙女太一、斎藤工、滝藤賢一、宇梶剛士、中村獅童、吉田鋼太郎。ジャンルはアクション。

前作、『孤狼の血』主演:役所広司の続編。伝説の刑事・大上が亡くなった後の広島県呉原市が舞台。いやー待ちに待っていた待望の続編だなー。これはもう北野武のアウトレイジ並みの暴力表現と気合に満ち溢れれている役者陣。ヤクザ映画の歴史に名を刻む作品と言って異論はないだろう。主役の桃季も気合い入ってて役者としての幅を広げることになったけど、一番は鈴木亮平だろう。こえーよこのひと・・・。凶悪班を連想させるような見た目と決してくじけない度胸の強さは筋金入りであのブラックエンペラー・伝説の総長である宇梶剛士ですら、アイスピックで瞬殺である。少年時代に虐待に遭った暗い過去から、人の目をくりぬく残虐性ときたら、吉田鋼太郎がびびってたじろぐのも当然である。このヘタレ感が良い。あとは滝藤賢一の策略家っぷりが本作でも遺憾なく発揮されているのも見どころの一つだろう。

とまー前作よりも格段バイオレンスになりパワーアップして顔ぶれもだいぶフレッシュにはなったけど、ママさんが真木よう子ではなく西野七瀬に変わってたり、まあ色々ありますが、個人的には前作の方が面白かったです。

前作は伝説の刑事・大上が謎につつまれてそれを探る日岡と暴力団の抗争があって、そのへんがミステリー要素も絡めてあって秀逸だったんですよ。前作でもバイオレンスなシーンはたくさんありましたよ。でも本作は大上の仕事のやり方に懐疑的な日岡と大上に信頼を寄せる呉警察署っていう構図は一切なくなっていて、とにもかくにもヤクザと刑事の対立って感じで力任せ。呉警察署および広島県警からダシにされてしまう日岡はなんとも滑稽である。その辺はツメが甘いのだ。あとは単純に役所広司が好きだからっていうのもあるのかな。物足りなさを感じていて、っていうのは桃季がチンピラ刑事っていうのもやはり線の細さもあって頼りなさを感じる。線の細いチンピラって悪役の方が似合う気がするんだよな。ほらアウトレイジの加瀬亮みたいなの。刑事役にもう一人別のチンピラを入れてもよかったのではなかろうか。あくまでも個人の感想なので悪しからず。

あとは日本歴29年で日本語ネイティブレベルの生粋のジャパニーズの俺でも言っている言葉が半分ほど理解できないので字幕をつけてほしい。なんとなく言っていることっていうのは分かるんだけど、関東圏の話している言葉とあまりにも違いすぎる。日本語が世界でいちばん難しいと言われる要因ってこういうとこにあるんじゃないかな。