キューブを観たよ
1997年公開。監督はヴィンチェンゾ・ナタリ。出演はモーリス・ディーン・ウィント、デヴィット・ヒューレット、ニコール・デボアー。ジャンルはスリラー。
菅田将暉主演の日本版『CUBE』公開が10月22日に迫るという事で、こりゃ観るしかないでしょうっていう気概でネトフリで鑑賞しまふた。
キューブシリーズ多数制作されており人気作品となっていますが、日本でもカルト的人気を誇る本作。映画特集の雑誌となると必ずと言っていいほど、本作品をマイフェイバリット・ムービーに挙げる方もおられる一方で、あまりにも無味乾燥としている本作品の鬱展開に気分を悪くする方もいらっしゃるんです。因みにSAWも本作にインスパイアを受けたみたいですね。
物の見方は人それぞれなので、映画作品の感想は人によって変わるんですよね。俺は本作品めっちゃ面白かったですよ。内容自体はものすごくシンプルでいわゆる密室モノ。キューブに閉じ込められた人達が脱出を図るが、これが上手くいかないんだな。何度も何度も部屋を移動しては失敗し、挙句の果てに最初の部屋に戻ってしまうという鬱展開。そうこの映画は鬱になるんです。部屋は同じような作りになっており、刑務所同様です。そこで逃げようと模索する登場人物たちは最初の方こそ『みんなで協力して脱出しよう!俺たちなら大丈夫だ!』と声高に行動しますが、仲間割れやらなんやら人間って窮地に立たされると頭おかしくなって何しでかすか分からなくなるという法則を教えてくれる。これは実生活でもそう。仕事で切羽詰まったりプレッシャーを強く感じたりしていると、正常な判断が出来なくなる。そんなこと当たり前でしょ!と口では言えるかもしれないが、実際に体験してみると分かるものだ。後で振り返って何であんな行動をしたのだろうと不思議に感じたりする。裏切り要素としては主人公っぽい熱い男が実はただのサイコパス野郎だったというネタ。こいつは自己中心的で脱出する為には平気で人を利用するような男だ。おまけにプライドも高く、後半は悪役にしか見えん。ラストで血だらけになって脱出しようとする男はまさにシャイニングのにこるんそのものw ただの殺人鬼へと変わってしまいます。こいつの行動はとち狂っていて意味のわからない方向に・・・。
本作はキューブによって登場人物たちが取り乱すSM映画であります。キューブの法則や謎なんてもんはどうでも良くてそこでもがき苦しむ人間達の愚かさを描いております。1時間半にしてはお腹いっぱいになります。でもこういうパニック映画は何度も観ている人にとっては、予定調和かもしれないです。真新しさや発見はないかもね。でもいいんです。キューブに苦しめられる人達を見て自分に置き換えてみてください。あれこれって今の俺の生活に似てるなあ?会社の歯車として閉じ込められて脱出しようともがいてる。いや別に笑顔で独立しよう!脱サラ目指せ!なんて言ってるわけじゃあありませんよw でもキューブはおそらく社会の縮図を表現しているのではないでしょうか。てな感じで今日もご覧頂き誠にありがとうございやした!