透明人間を観たよ
2020年公開。監督はリー・ワネル。出演はエリザベス・モス、オルディス・ホッジ、はリエット・ダイアー、オリバー・ジャクソン。ジャンルはホラー、スリラー。
原作はH・G・ウェルズによる小説『透明人間』である。
※香取慎吾主演の連続テレビドラマ『透明人間』とは一切関係ございません。
しかし、透明人間とは男のロマンである。自分がもし透明人間になれたら、元カノに執着などせず、女湯を覗いてみたいものである。それこそが男ロマンなのじゃ!何をいうてんねんおんどれは・・・。ただ老婆の裸体は(以下略)
とまあー色々と御託を述べさせていただきましたが、透明人間にもたくさんの種類がある訳です。
例えば、薬を飲むことによって一時的に透明人間になれるとかね。本作では透明になれるスーツがあってそれを着ることによって透明人間になれるのだ。因みに原題はインビジブルであり、同名の2000年公開の映画とは本質的に異なる。本作に関しては恋人に対する愛が明らかに間違った方向に進んでいるにも関わらず、そこに気付かないサイコパスな男となんとしてでも自分の意思を貫き通す勇敢な女性という構図だ。何も映像表現にこだわりぬいた作品ではない。
強迫観念から逃げ出したセシリアは親友の警察官のもとに暮らすことになるが、精神的なショックから家を出る事もままならない引きこもり生活だったが、警官とその娘と暮らすうちに徐々に克服していく。しかし、そんな彼女のもとに一通の手紙が届く。彼女の身元は完全に隠しているはずだが何故・・・?彼女は不可解な出来事に振り回されて疲弊していく。その仕業は元彼・エイドリアンによるものだった。なんとしてでも自分の物にするという思いから、彼女の周囲の人間を殺すなど奇行に走るエイドリアン。いやいや、女なんて、星の数ほどいるもんですぞ・・・。その奇行も彼女が犯人だと思わせるような殺害を繰り返したり、枚挙にいとまがない。しかも、兄弟よってたかってセシリアに粘着するってお前らどんだけ暇なんだ!まっとうに働け!と申し立てたい。
どんどん精神がすり減らされていく主人公セシリアの演技がリアルだった。そのセシリアの顔つきと言ったら精神の病んだ人そのものである。なんとかラストシーンで復讐を果たしたが、この男はこれで終わるのだろうか?透明スーツを発明するほどの科学の知見のある男である。自分のコピー人間やらなんやらつくって彼女をまた襲ってきそうである。そのような科学的な手法を使って何やらまた嫌がらせしてきそうな気配も感じられる。素朴な疑問だがセシリアは妹を殺した容疑で刑務所送りにされてしまう。(これもセシリアを貶めるエイドリアンの罠である)そこで刑務所で手首を切り自殺を企む。そこにすぐさま現れる透明人間。いやはやこの嗅覚は一体何なんだろう。あと犯行はすべて弟の仕業なのかいまいちわからない。透明人間が霊的な存在ではなく科学的な存在としてえがかれている本作は傑作でございました!