2014年公開。監督はクリストファー・ノーラン。脚本はジョナサン・ノーラン。出演はマシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャスティン、マット・デイモン、マイケル・ケイン。ジャンルはSF。
巨匠クリストファー・ノーランによるまさに最高傑作の名にふさわしいと呼べる本作。宣伝会社がキャッチコピーをつけるのなら「まだ誰も見たことのない世界へ」といったところか。
創造性豊かな彼が、物理学を用いて専門用語が多く出てくることから前提知識がないと観れないかというと実際はそうでもない。
確かに自然科学寄りのハードSFであるが、ガルガンチュアってブラックホールの事だよね、相対性理論って好きな人と一緒にいる時間は短く感じるアレね程度の知識でOKである。
そもそも映画の物語に正解はない訳で、自分なりの解釈で観るのが映画というものだ。そんなこと言うとノーラン・マニアから非難を浴びそうであるが、根っからの文系・歴史オタクからすると分からない用語をいちいち調べてたら時間が足りないのである。
ワームホール?二進数?ニュートン力学?こちとら中学の理科で終わっとんねん。分かる訳がない。
ということで主人公と愛する家族、人類は救えるかという壮大なテーマがあってそれを科学を用いて解明する物語です。
もっとかみ砕いて言えば”味わうがいいノーラン様の妙技を”である。
こうなると本作がより親しみやすくなった気がしませんか?
それではネタバレなしであらすじを語ります。
舞台は近未来の地球。環境破壊が進んでいた。
主人公クーパーは元NASAのパイロットだったが、現在は農業を営んでいる。彼は15歳の息子・トム、10歳の娘・マーフ、義父・ドナルドとともに暮らしていた。
マーフは本棚から本が落ちることから「部屋に幽霊がいる」と言い出す。非科学的な現象を嫌うクーパーは彼女の言うことを当初は信じなかったが、ある日クーパーは何者かのメッセージではないかと気付き座標を見つける。その座標の示す場所に向かうとそこはNASAの軍事施設だった。
クーパーはそこでブラント教授と出会う。NASAは秘密裏に活動し、土星付近にワームホールを通じて別の銀河に人類を移転させる「ラザロ計画」を遂行していたのだった。
そのパイロットにクーパーを選出したのだった。彼は仕事を引き受けるが、娘のマーフハ猛反対する。
2年もの長い宇宙旅行で彼が見たものは一体・・・
とまあ、あらすじを書いていて思ったが、どこまで語っていいかわからなくなる。それぐらいノーラン作品は情報量と展開が多いのだ。シーンごとの会話の量も非常に多い気がする。そうなると視聴者は置いてけぼりを喰らってしまうのだ。
そもそもいちいち覚えてられるほど記憶力良くないよ俺は、、、
てな感じで少ない情報量で視聴者に考えるように示すキューブリックとは作風が違うのだ。ノーランは情報量過多であとはお前らで考えろスタンスなので鬼畜としか言いようがない。ましてや映画に慣れてない人は観ていて嫌悪感すら感じるかもしれない。恥ずかしがらず言ってごらん。
あとはノーラン監督の特長として挙げられるのが感情移入のしにくさである。
あまりにも淡々と物語が進んでいくような感覚がある。それは人物描写の部分で、たとえ重要な会話シーンであってもあくまでワンシーンと考える彼の考え方にあるのかもしれない。
そんなことより俺が描く頭の中すげーだろ!見てくれや!という自信に満ち溢れた彼を想像すると只者ではないなとひれ伏す他ないのだ。
かみ砕いてしまえばストーリーも、世界の危機が訪れた!よし俺が救う!で済むのだ。
しかしそんな単調なストーリーをぶち壊し、難解にしてしまうノーランは「アルマゲドン」を描いたマイケル・ベイとは作風が180度違うし(ベイちゃんを典型的低俗なベイ国人みたいに言うな!)、本当に気難しい男だよあんたってやつは・・・・・