ミストを観たよ
胸糞の悪い映画としてその名をとどろかせている「ミスト」
衝撃のラスト15分という広告の謳い文句に乗っかるような安い男ではないぞ俺は。
スティーブンキング原作×フランクダラボン監督による作品は今回が3回目で以前は「ショーシャンクの空に」、「グリーンマイル」でタッグを組んでいた。
そんな異色なタッグで挑んだ世間に問いかける問題作。
この二人がタッグを組むのだから普通のホラー映画で終わるわけがない。私はそう思っていた。意を決して観ることにした今作。
というのは前置きで、ただ単に彼女に奨めてもらったからネットフリックスで観ただけです。正直なんの前提知識もないまま観ました。だからこそよかったのかもしれない。
いい意味で予想を裏切られたし、製作者の意図の通り、騙されました。
なによりも衝撃的なのは何を隠そうとラストシーンだろう。
かなりかいつまんで説明すると、
カルト的支持を集めているおばさんたち率いる軍団が割拠するスーパーは危険だと判断した主人公は自分の子どもと仲間を引き連れ、遠い町を目指し、車で逃走する。
車はガソリン切れ寸前、外は霧に包まれさらにとんでもない超巨大モンスターと遭遇する。
絶望に打ちひしがれもうどうすることもできないと察した主人公たちは死を覚悟する。
拳銃の弾は4発、人数分足りないので、主人公が仲間たちを殺すことに。
主人公は車から出てモンスターを呼び出す。
すると、戦車が主人公のもとに走ってくる。
町中をつつんでいた霧がなくなり、軍人たちは救助活動を行っていた。
そして一番最初に出ていったおばさんが助かった。
なんとも胸糞の悪いラストに誰も想像はしていなかったし、主人公の今までの行為はすべて無駄であったことに何とも言えない虚無感を感じた。
スーパーの人たちは無事だったのかにも焦点が置かれるが、おそらく無事だったのではないか。
あんな危機的状況で誰が正しいかも分からない、人間というものはパニックに陥ると正常な判断が出来なくなる。ましてや1人でいたら不安で仕方ないだろう。
徒党を組むのは当たり前だ。人間も生き物と根本的に同じだ。何かに所属することにより自分の価値や考えを深めたりすることができる。
絶体絶命の中、神に救いの手を求めるのも当然だろう。
あくまで結果論でしかないが、私は主人公の行為がすべて間違っていると思いたくない。例え自分以外の仲間を殺してしまったとしても、あの危機的状況で行動した勇気に称賛をたたえたい。
それにしても、ウォーキングデッドのキャストが多数出演しており、感情移入しやすかった。でもこの作品の方が先に出ています。監督もフランクダラボンなのね。
しかし、ラストシーンしか書いてないので、改めて文章で読み返すとめちゃくちゃに感じるかもしれんが、「ミスト」を観た前提で話を進めておりますので悪しからず。具体的なあらすじなど知りたい場合は他を参考にしてくれたまえ。