パラサイト 半地下の家族を観たよ
2019年公開。監督はポン・ジュノ。出演はソン・ガンホ、イ・ソンギャン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム。ジャンルはクライム、コメディ。
韓国映画史上初であるカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルム・ドール賞を受賞した他、韓国映画の金字塔としてその名を残すきっかけとなった本作。韓国国内における富裕層と貧困層の対立を描いており、相反する2組の家族が描かれている。ていうか韓国てばりばり先進国やん、この映画2年前やけどまだ貧困層ってこんなひもじい生活してるのかいやと驚きました。まあ誇張してる部分はあるんでしょうけど、タイトルの半地下の家族とはまさしくこの貧困層の家族のことでしょう。
前半はこの貧困家族"キム家"があの手この手を使って富裕層の家族"パク家"に乗り込みます。『やっとあの地下の生活から抜け出すことが出来る!しめしめ富裕層なんて簡単に騙せるんだぜ!』と調子ぶっこいてます。まさにスパイ大作戦のようです。潜入することに見事成功したキム家ですが、痛い目を見るのはこれからです。1番緊張感の走るシーンはグランピングに出かけたパク家が家に戻ってくるところ。家政婦を務めるキム家の母に向かって『もうすぐ家に到着するからじゃじゃー麺作っておいてね』それまでパク家でどんちゃん騒ぎをしていたキム家一行は急いで家を片付けて脱出を試みるのです。ここはさすがお母さんです。愛の不時着でも存在感を示していたチャン・ヘジンさんです。なんとも頼もしい女性です。
とはいえ1番の見せ場はこの辺で、あとは下り坂の一方です。そもそもなぜ富裕層が地下にやばいおっちゃんを入れてたのかよく分からないし、そのヤバいおっちゃんが富裕層のパーティでキム家の娘を殺してしまうんです。キム家の父はそれを見て何故か富裕層のパク家の父を殺します。え、どういう事ですか??富裕層に対するアンチテーゼなん?殺害の動機がよく分からなかった。それともコメディだからその辺は深く追求するものではないのかしら?ひとつ考えられることとしたらキム家の父は自分が貧乏で体臭をネタにされていたのを気にしていたんです。それで人殺しちゃうんかね?え、それどうなん?富裕層の地下に関することについても本作では触れていないし、大事な部分が抜け落ちてるような気がした。まあ、富裕層と貧困層っていうのがテーマであるんでいかに富裕層の人間が悪い奴らかっていうのを描きたかったんでしょう。とはいえ見応えはたっぷりありました。役者陣の歯に衣着せぬ演技は素晴らしかったです。それでは今日はこの辺にしましょう。