記憶にございませんを観たよ

2019年公開。監督は三谷幸喜。出演は中井貴一、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、小池栄子、斉藤由貴、吉田羊、木村佳乃、山口崇、草刈正雄、佐藤浩市。ジャンルはコメディ。

もはや政治家の謳い文句の一つである「記憶にございません」。国会討論の場では何度も繰り返されるこの発言は過ちを犯したときの言い逃れである。政治家としてこの発言については一体如何なものなのだろうか。後ろめたくは無いのだろうかと俺は思う。本作はそういった責任逃れの政治家たちについて描くと言うよりは主人公・中井貴一にスポットを当てて描いている。

記憶にございませんという発言は基本的に嘘であるということが前提である。記憶にはあるんやけど責任逃れの為だからね。でも本作の中井貴一は怪我で本当に記憶を無くしてしまっているのだ。今まで破天荒に生きてきた127代内閣総理大臣・黒田であったが怪我による後遺症で記憶をなくしてしまったのだ。秘書たちはこれがばれないようにあの手この手で国会の答弁や記者会見を切り抜けようとする。今までの中井貴一であれば、暴言は当たり前であるが、何故か大人しく礼儀正しい。彼は生まれ変わったのだろうか？これは一体何を意味しているのか？世間の謎は深まるばかりである。一方、家庭では妻である石田ゆり子を大切に思う中井貴一。今までそこまで大切にしてもらったことがない石田ゆり子は不思議に思う。さらにはひとり息子もあらぬ方向に進んでいく。内閣の支持率は憲政史上最悪の支持率。家庭崩壊も既にはじまっているが中井貴一はこの危機をどう脱するのだろうか。。。

さすがは監督・三谷幸喜。所々笑えるツボを抑えており、その笑いはとてもシュールだった。三谷幸喜の才能は古畑任三郎で開花されるんだけど、やはりなんといっても田村正和の個性が際立っていたからヒットしたのであろう。三谷幸喜のキャスティングは独特である気がする。主演・中井貴一をキャスティングするあたりがなんとなくそう感じますわな。でもまー日本映画にありきたりな事件が発生。このままじゃやばい。でもまあまあなんとかなりまっせという緩い展開はなんかもう世界から舐められても仕方ないのかなと思ってしまう。政治や宗教の話が日本ではタブーとされるじゃないですか。でも海外は政治や宗教に関心を持っているじゃないですか。そんなノリだから日本でしか通用しない人間が出来上がってしまうのですよ。本作を観て日本人の平和ボケって治らんやろなと痛感致しました。それではまた明日お会いしましょう。ありがとうございました。