ボヘミアン・ラプソディを観たよ
2018年公開。監督はブライアン・シンガー。出演はラミ・マレック、ルーシー・ボイントン、グウィリアム・リー、ベン・ハーディ、ジョゼフ・マゼロ、エイダン・ギレン、トム・ホランダ、アレン・リーチ、マイク・マイヤーズ。ジャンルはノンフィクション。
伝説のロックバンド『クイーン』のボーカリストであるフレディー・マーキュリーの自伝映画。世界でもっとも人気のあるバンドのひとつとなったクイーンがそれこそ端くれものバンドの若者たちが世界で活躍するようになるまでの奇跡ということで、非常に感慨深いものがあった。楽曲『キラークイーン』によって音楽シーンのトップを駆け巡り、様々な曲を発表したクイーン。クイーンというバンドは音楽性そのものよりフレディという強烈なキャラクターが先行しているバンドである。ゆえにフレディなしでは成り立たないのである。フレディ=クイーンなのだ。バンドの花形と呼ばれるフロントマンの影響力はとてつもない事がお分かり頂けたでしょうか。カート・コバーン=ニルヴァーナの方程式も成り立つよね。
そんなクイーンのバンドのサクセスストーリーだけではなく当てられている焦点はフレディであって、フレディが同性愛者であるという点にも本作は触れている。音楽映画というよりLGBT映画として観ることも出来る。モンスターバンド・クイーンは音楽性もごりごりのロックンロールで男らしさ全開である。でもフレディが同性愛者であるという点や、個性的なルックスからかクイーンの音楽性よりもゲイの音楽とイメージ付ける人も結構多いと思う。
マイケル・ジャクソンしかり世界を代表するトップシンガーになろうともすれば、このような自身の嗜好が悪い方向に捉えられてしまう。この辺はトップシンガーの苦悩とも呼べるだろう。彼は1991年にHIV感染症により死亡している。これは衝撃的なニュースだった。乱暴な言い方になるが、人々はゲイはエイズにかかって死ぬという恐怖を知った。このようにフレディは暗い噂が多いミュージシャンとして認知されるようになっている気がしてらならない。残念で仕方ありませんな。クイーンの音楽性はとてもキャッチーで耳に残りやすくて日本人が好きな曲の構成である。サビにフレディの美しい歌声ががっちりとのしかかっていくので、一度聴いたら忘れられない、そんな音楽が多い。あとフレディの音域の広さも特徴だね。自分の特徴的な歯によって口が大きく開くことにより音域を広く出せると自虐しているシーンがある。
クイーンの成功は単なるロックバンドのサクセスストーリーという単純なものではなく、深い闇と向き合っていくフレディ自身の苦悩が描かれていました。