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七小福を観たよ

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1988年公開。監督はアレックス・ロー。出演はサモハン・キンポー、ラム・チェンイン、チェン・ペイペイ。ジャンルはノンフィクション。

明日の香港スターを夢みて厳しい集団生活の中で芸を学ぶ少年たち。

一つ例を挙げるとすれば団体行動の厳しさだ。公演中に一人の少年が演技でミスをしてしまいその晩の夕食は無しとなってしまった。まだ幼い生徒たちにとって空腹に耐えるのはあまりにも辛い罰だ。空腹に耐えられなくなった子どもは夜中、盗み食いを図る。しかし、その行為が先生にばれてしまい他の生徒に罰が与えられてしまう。日本人と通ずるなと思ったがこれがアジア人の教育なのだろう。日本人よ日本人は社会ではチームプレイがなんちゃらと愚痴をこぼすでないよ。こんな環境でも生徒たちは明るくやっているんだから。子どもたちの方が大人じゃないかよ。

本作はサモハンやジャッキーチェンが実際に演技の為に勉強をした学校での出来事を元にしているのだ。

ということは内容はほぼ事実になる、ノンフィクション映画だ。

生徒のデカ鼻くんは世界を代表する香港スターのジャッキー・チェンなのである。

香港スターとなって高級車に乗り、でかい家に住み、孫・ひ孫の生活も余裕で賄えるぐらいの資金力を兼ね備えたトップスターも女を知らない時期があったのだ。…女性のみで構成された歌劇団の一人の女性との一幕より。

 

目まぐるしく変化する時代。

サモハン率いる京華学院の集合住宅に住む勉強熱心な眼鏡親子が登場するが、典型的ガリ勉親子かと思いきや、彼らはボロボロの集合住宅に住み、洋服の仕立て屋をしている。父親は非インテリだ。しかし、子どもには勉強を強要させているのは勉強がお金持ちになれる手段であると信じていたからだろう。自分のように学がないとボロボロの家で生活することを強いられてしまう。そういった苦労を子どもにはして欲しくない。だからもっと勉強するべきだと子どもに教えていたのかもしれない。

サモハンとガリ勉親父は真っ向から対立し、その見せしめとして、舞台稽古の基礎的なトレーニングであるストレッチを300回行う。相反する親子だ。

そんなこんなで大きくなった京華学院の生徒たち。ガリ勉親子は相変わらずかと思いきや息子は勉強を諦めエレキギターを弾き音楽にうつつを抜かしているではないか。

香港は経済成長を成し遂げたと考えられる。

京華学院の伝統芸能よりも、若者たちのポップカルチャーが台頭したのだ。香港の重要な輸出産業である映画もだ。そこにはブルース・リーの活躍が大きいだろう。

その時代はわずか10年そこそこだったとしても時代が変わるのは一瞬である。1997年にイギリス領だった香港は中国となった。しかし今回のオリンピックでも香港は香港として出場していたわけで彼らのアイデンティティが存在しているのだ。中国よりもうんと前に経済成長を成し遂げ独自の文化を形成していった香港。その文化を絶やさず後世にも残していってほしいです。