あの頃。を観たよ
2021年公開。監督は今泉力哉。出演は松坂桃季、仲野太賀、山中崇、若葉竜也、芦沢興人、コカドケンタロウ。原作は劔樹人のエッセイ『あの頃。男子かしまし物語』より。ジャンルは青春ドラマ。
ミュージシャンとして活動している著者の自伝的エッセイってことで2000年代前半で猛威を振るったアイドルグループ『モーニング娘。』を筆頭にハロプロオタクたちの青春の物語をつづった本作。当時の松浦亜弥、藤本美貴、石川梨華の人気っぷりが本作で伝わりました。そしてやっぱり今見ても可愛いなと。時代の変化によって化粧も変わったり流行り廃りもあるもんで、可愛いの価値観って変わるもんだけどやはりアイドルは凄い。あれだけの人気を誇った理由が頷ける。永遠のアイドルたる言葉もあるが、やはり一時代を築いた人物にはまとわっているオーラが圧倒的に違う。人を魅了するパワーが生まれつき備わっているのだ。
当然、アイドルの追っかけなんてする奴がもてる訳ないんで、出演者たちのクズっぷりも見物。アイドルに生活費の大半を浪費する一方で風俗も行く。AV女優の握手会にも行く。そういや握手会って大変だよなー。10時間近くも集まりに来たファンの為に握手して笑顔振りまかなきゃいけないんだもんね。体力的にも精神的にもきついわな。足はぱんぱんでずっと笑顔だから口角もいたくなってくる。おまけに包丁とか持ってきて刺してくるようなクソ野郎もいるんだから恐怖でしかないだろうし、依存しすぎると理想と現実の区別がつかなくなってしまうんだろうな。脚光を浴びるトップスターはほんの一部しかいなくて、生活できるレベルまでもっていくのにはめちゃくちゃな労力が必要になる。おまけにアイドルは何よりも鮮度が命。若いときしかやれない。AV女優であれば年取れば熟女でいけるけど、アイドルはそういった訳にはいかないのだ。下手したらアイドルと言う職業は総理大臣になるよりも難易度が高い。そんな激戦の中で勝ち誇ってきた藤本美貴は今や旦那にネタにされ今では良きお母さんとしか認知されていないが、やはり超一流なのである。
オタク文化が海外に輸入されていき日本の認知度が上がっていくのは複雑な気持ちである。本作の時代的には2000年前半でこの時代はカオスだ。同時期にギャルやヤマンバといった人種も出てきておりこちらも海外を沸かせただろう。日本どうなってるの!?そんなサブカルチャーが一気にメインストリームに昇格する日本は海外から見たらやっぱり異質なのだろう。