少林サッカーを観たよ
2002年公開。監督・主演はチャウ・シンチー。出演はン・マンタ、パトリック・ツェー、ヴィッキー・チャオ、ウォン・ヤッフェイ。ジャンルはカンフー。「少林足球」そのまま訳して「少林サッカー」。
チャウ・シンチー、ン・マンタ名コンビの事実上最後の作品である。
それまでは何度かインタビューでお互い共演がささやかれたりもしたが、ン・マンタは2021年2月27日に死去。
両者には不仲説が浮上したりと様々なスキャンダルもあった。
シンチーは共演者からのクレームも数多く、デビューしてから香港映画の看板俳優と歩むようになり、喧嘩をしたスターは後を絶えない。
本作でウォン・ヤッフェイはガラス瓶で頭を殴られるシーンを8回も強要されたと述べた。
コミカルに動き回るシンチーの裏の顔を俺は知らないが、とんでもなく作品に対しストイックでありそして、ワガママなのだろう。
さもなければ、トップスターにはなれない世界なのだ。
ざっくりとあらすじを紹介します。
サッカー界のスターであるファンは「黄金の足」を持っていた。チームメイトで子分だったハンより、八百長を持ちかけられ切手を受け取りシュートを外した。観客は激怒し彼を襲撃する。そして「黄金の足」を失ってしまった。
ハンがプロモートするサッカーチーム「魔鬼隊」はスポンサー企業もつき、充分な資金力を抱えるまでに成長。ファンは20年近く雑用係として勤め、完全に立場は逆転してしまった。
満を持して2人は再開した。そこでファンは自身の襲撃事件の黒幕はハンによるものだったと知る。
ハンは落ち込んだまま町をふらついていると、少林寺の達人・シンに出会う。
シンは「少林寺でどんなことでも叶う」と言った。
ある日、ハンは立小便中に自身が投げてシンが蹴り返した空き缶を見かける。壁に突き刺さっている空き缶を抜くと壁は崩れ、チンピラたちに囲まれるシンがいた。
シンは「少林サッカー」でチンピラたちを圧倒する。その姿を見たハンはシンの後を追い、右足を見せてもらう。シンは「鋼鉄の足」を持っていたのだ。
すぐさま「少林隊」を結成し、練習に励むが、独自のセンスを持つシン以外のメンバーには課題が山積みだった。
そうこうしているうちに練習試合がはじまった。相手側の暴走行為による洗礼を受け、チームは戦線離脱まで追い込まれたが、突然天候が変った。
そして「少林サッカー」が開花する。そこから連戦勝利を重ね、宿敵である魔鬼隊との試合を迎える。
少林隊は勝つことが出来るのか・・・
本作が公開された2002年は日韓ワールドカップの開催年であり、日本中がサッカーに沸いた年だった。空前のサッカーブームは本作品にも波及し、日本では何度もテレビ放送された。シンチー作品では興行収入こそ「熱血弁護士」が猛威を振るっているが日本では本作の知名度の方が圧倒的に高いだろう。
また、東アジア選手権2008の中国対日本では、中国側のラフプレーが少林サッカーみたいだった気がする。当時の岡田監督ぶちぎれてたよね。そんなこともあって思い出深い作品でした。