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ミッドサマーを観たよ

この多様性を受け入れられるか/ミッドサマー レビュー|鴉|note

2019年公開。監督はアリ・アスター。出演はフローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ヴィルヘルム・ブロングレン、ウィル・ポールター。ジャンルはホラー。

北野武作品で確かソナチネの回だったかな。その時にたけし氏の死生観について熱く語りましたが、本作でもそういった死生観を考えさせられます。本作は宗教観が根強い作品でホラーっちゃホラーなんだけど、ぞっとするような恐ろしさっていうのはあまり感じなかったかも。それよりもやはり人間がどんなときも一番怖いよねっていう結論にたどり着きますわな。本ブログではことあるごとに人間について自分の見解を述べてきましたが、ホラー映画を観ると怪人や怪物と言った恐ろしい生物よりも人間そのものが一番恐ろしいと何度も思い知りますね。まー俺が人間不信なもんで、そういった発想に行きつくのかもしれないけどねw

本作の登場人物はアメリカの大学生たちとスウェーデンのホルガの住人達で、アメリカ人を懲らしめるいわば、アメリカ人よ調子に乗るなと警鐘を鳴らす映画となっているので良かった。それにしてもホルガの住人たちは気味が悪かった。しょっぱなの食事シーンで老人老婆ががけから飛び降り顔面ぐしゃーんのシーンがあるんやけど、これはホルガの住人達からすると通例で村人は72歳になると必ずこれをしなければならないという。まるで毛沢東時代の中国さながらである。大学生たちは大泣きし「こんなことするなんてどうかしてるぜ!」なんてはしゃいでおりますが、それはまるで自分たちも犠牲になるのかと想像させるような演技でした。このような凄惨なシーンが数多くあるけれども、自然の映像は美しくてこんなところでピクニックしてみたいなーと思うこと間違いなしですよ。

概要すっ飛ばしてラストシーンについてですが、主人公は涙さながら自然と笑みを浮かべているんですよね。そんな恍惚な表情をして幕を閉じるんです。これは主人公はあっぱれですよ。そもそも彼女は精神疾患を患っていて家族も失っているんですよ。そんな精神状態で彼氏の性行シーンを見てしまったら当然の判決を下したと思う。いや彼氏は何も悪くないですよ。むしろ可哀想なぐらい。洋モノ熟女さんたちの煽りとともに乗ってきた彼はフィニッシュした瞬間、賢者タイムとともに元の自分に戻ってしまうんだから彼氏は男として生まれたことを後悔するでしょう。ざっくりまとめるとこの作品は女性賛美映画なんですよね。大学生の男の子たちは生贄となり、ホルガの生贄も全員男性ですから。政治も女性が特権を持つ、そんな時代が来てもいいかもしれないですけどね。とはいえ今回の総裁選は河野がよかったなあ~~~。