ゴーン・ガールを観たよ

2014年公開。監督はデヴィッド・フィンチャー。出演はベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス、タイラー・ペリー、キャリー・クーン、キム・ディケンズ。ジャンルはスリラー、ミステリ。

原作はギリアン・フリンによる同名小説。

『エイリアン3』で散々な評価を受けながら『セブン』でその非難をはじき返し映画界の異端児として君臨するデヴィッド・フィンチャーが放つ本作は、旦那を狂気的に愛するサイコ女と流されてばかりの子ども夫を描いている。

タイトルからもある通りサイコ女勤めるロザムンド・パイクの奇抜な行動がフィーチャーされがちであるが、テーマは普遍的なもので夫婦関係を題材にしている。結婚生活も月日が流れるとマンネリ化してしまい付き合った当初の情熱は冷めてしまう。1人の人間を愛することが異常とされていてサイコ女がすべて悪いように描かれているがそれはいかがなものなのだろうか。夫婦関係にまんねりして浮気するような夫もどうかと思うぞ・・・。挙句の果てに休日はゲームをしてセックスしたいときに妻を求める。まさに道楽尽くしのダメ男である。奥さんなんかどうでもいいぜ！そんなダメ男を演じるのは芸人(？)ベン・アフレックである。やはり彼はブルース・ウィリスの代わりに天罰を受けるべきだったのである！いつまでアルマゲドンネタ引きずってんねん！もうやめよう・・・

サイコ女はこのように大人になり切れない子ども夫に嫌気がさし、失踪してしまう。そのすべての記録を日記やメモに書き止めていき実行にうつしていく。完璧主義の彼女は自分の行動に少しでも失敗があると奇声を上げたりする。失踪の理由は自分を殺害者に仕立て上げる罠だと察した子ども夫は弁護士の協力の元、彼女が本当に必要だと嘘の供述をテレビ番組で公表する。失踪中のサイコ女はその雄姿を見てさらに子ども夫への愛が増幅し、居候先の元クラスメイトを殺害し正当防衛に仕立て上げ子ども夫の元へ帰ってきた。

彼女は結局のところ愛に飢えていただけだったのかもしれない。日記に記した内容通りに物事が運んでいくのは物語の前半だけで後半からは文章に記すのを放棄している。ベン・アフレックに奥さんへの向き合い方を改める器量があればこのような大事にはならなかったのかもしれない。

本作はラブストーリーにおけるハッピーエンドに対するアンチテーゼであり、現実はそううまくはいかないぜと視聴者に警鐘を鳴らしている。現に結婚してから夫婦仲上手くやっている人たちってどれくらいいるの？って話である。デヴィッド・フィンチャー特有のグロシーンも彼女が居候先の元クラスメイトを殺害するシーンはドキッとしたが、それ以外は特にないです。見落としてたらすみません！もしかしたら冷めた夫婦仲をよりよくするためのスパイスが本作に隠されているのかもしれませんよ！？！？