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愛を読むひとを観たよ

愛とは…? オスカー女優ケイト・ウィンスレットの力強い演技に納得『愛を読むひと』 | cinemacafe.net

2008年公開。監督はスティーブン・ダルドリー。出演はケイト・ウィンスレットレイフ・ファインズ、ダフィット・クロス、ブルーノ・ガンツ。ジャンルはロマンス。

原作はベルンハルト・シュリンクの『朗読者』より。

女優のケイト・ウィンスレット=ポルノ女優のイメージを持つ人は割と多いのではないだろうか。彼女の演技力は素晴らしくその実力や否や、アカデミー賞に7度ノミネートするなど彼女の名作は枚挙にいとまがない。だがやはりタイタニックでのディカプリオと恋人役でセックス・シンボル的なケイト・ウィンスレットというイメージが脳裏にこびりつく。

本作は一人の少年・マイケルと年上の女性・ハンナとの出会いを期に恋に堕ちていく2人。その恋は決して甘酸っぱい幸せなものではなく、永遠に続くことはなかった。彼女が抱えていたいくつかの秘密によって2人は切り裂かれていく。

ハンナの秘密は文盲であること。字を読むことが困難な非識学者なのである。マイケルは『オデュッセイヤ』や『戦争と平和』など様々な本を朗読する。ハンナはそれをいつも楽しみにしていた。字を読めないというのは大海にぼんやりと浮き輪で浮かんでいるようなものである。当然、雑誌や新聞も読めないので社会から遮断されたようなものだ。感覚だけが頼りなのである。マイケルはハンナが文盲であることは気づかなかったが、彼女に一筋の光を与えているようだった。それを2人は楽しんでいた。

ハンナはトラムの車掌をしていたが仕事ぶりを認められ、事務職に昇格するが、文盲であることが知られてしまうのを恐れた彼女は昇格を断り、マイケルの元から姿を消した。マイケルは非常に悲しんだ。2人の恋は儚くも終わったのである。

マイケルは法学部の学生となりゼミ研修で傍聴した裁判でハンナと出会う。そしてもう一つの秘密を知ることになる。なんとハンナは第二次大戦中、強制収容所で看守をしていたのだった。ハンナはナチスの戦犯として被告席に座っていたのだった。

文盲=恥という意識はハンナの中に常にあって、文盲であることを知らせないよう偽る彼女の姿がたびたび描かれているのが特徴的だった。

戦後のドイツは冷戦下で東西運営に東ドイツと西ドイツに分裂し、長きにわたってヒトラーのような極悪人を生んだ罪滅ぼしをされてきた。ベルリンの壁はまさに東西分断の象徴だろう。

ハンナの文盲はそんな戦争によって世界を混乱させたドイツそのものであったのではなかろうか。過去の行いを恥じるという点では公判を見ていたマイケルにも年上女性と関係を持ってしまった羞恥心が感じられる。恥=罪という意識が本作の1つのテーマなのではなかろうか。

ということで明日もまたよろしゅうねがいますぅ。