13歳のハローワークの職業解説で最もしびれた文章を紹介します
13歳のハローワークはあのエログロバイオレンス作家(もちろん敬意を込めています!)村上龍氏が経済に傾倒していく過程で世に出した職業図鑑みたいな本があるわけです。
村上龍といえば「限りなく透明に近いブルー」で文壇デビューを飾り芥川賞を受賞し、意欲的作品を次々と発表し80年~00年代の文学界の寵児として君臨していました。村上春樹とW村上と呼ばれ肩を並べたほどでした。今では村上春樹が日本でもっと読まれている作家の一人であるという認識ですが、全盛期の村上龍もすごかったんですよね。
そんな彼は小説という枠にとどまらず、経済に傾倒していきます。その過程でエッセーも書いたりするんですが、あの有名な「すべての男は消耗品である」です。そこでも、経済に対して語っている章がいくつかあります。
まあもともとはこれは男女の恋愛観だったりを氏の独断と偏見でとにかく言いたい事をズバッと言ってやろうってノリでできた企画だと思っています。
彼は今では「カンブリア宮殿」という番組で小池栄子と一緒に経済番組たるものをやっています。
うん。やはり彼の挑戦する姿勢が私は好きです。
そして私はいつの間にか村上龍のファンになってました。
好きな作家は?と聞かれたら真っ先に村上龍と答えるかもしれません。そもそもあまり私は本を読まないのであまり詳しくないです。
「限りなく透明に近いブルー」でもここまで肉感を感じる小説を24歳で書き上げるのは純粋に凄い、「テニスボーイの憂鬱」ではほんとになんだこれって感じですよ。不思議な感覚を味わいました。「コインロッカーベイビーズ」の圧倒的な想像力、「69」は腹を抱えて笑った。
とにかく彼の作品を楽しむというよりは村上龍の世界にどっぷりはまっていったというのが事実でしょう。
そんな彼の代表的作品「13歳のハローワーク」から「作家」の職業解説です。
<どんな仕事なの?>
13歳から「作家になりたいんですが」と相談を受けたら、「作家は人に残された最後の職業で、本当になろうと思えばいつでもなれるので、とりあえず今はほかのことに目を向けたほうがいいですよ」とアドバイスすべきだろう。医師から作家になった人、教師から作家になった人、新聞記者から作家になった人、編集者から作家になった人、官僚から作家になった人、政治家から作家になった人、科学者から作家になった人、経営者から作家になった人、元犯罪者で服役の後で作家になった人、ギャンブラーから作家になった人、風俗嬢から作家になった人など、「作家への道」は作家の数だけバラエティがあるが、作家から政治家になった人がわずかにいるだけで、その逆はほとんどない。つまり作家から医師や教師になる人はほとんどいない。それは、作家が「一度なったらやめられないおいしい仕事」だからではなく、ほかに転身できない「最後の仕事」だからだ。服役囚でも、入院患者でも、死刑囚でも、亡命者でも、犯罪者でも、引きこもりでも、ホームレスでもできる仕事は作家しかない。作家の条件とはただ1つ、社会に対し、あるいは特定の誰かに対し、伝える必要と価値のある情報を持っているかどうかだ。伝える必要と価値のある情報を持っていて、もう残された生き方は作家しかない、そう思ったときに、作家になればいい。
↓URL参考
https://www.13hw.com/jobcontent/02_03_01.html
人に残された最後の仕事。。。
でも彼だからこそ説得力があるし言葉に厚みが増しますね。
しかも言い回しが彼らしい。他の職業解説を見てもらうとわかると思うのですが「作家」については物凄く熱いのが感じられるでしょう。
今日はそんな村上龍について語ってみました。
皆さんも是非、村上龍の作品を手に取ってみてはいかがでしょーか!