私の好きなもの
揚げパンが好きだ。
何を隠しそう小学生の頃、揚げパンが出てくる給食の日は待ち遠しかったし、うきうきしていた。
そんな小学生時代から一変、中学高校となり思春期を迎えた。
未熟ながら恋愛も経験させて頂いた。
初めてのキスの味は言葉では表現できないあの乾いた口の味。
臭いんじゃないか。
そうこうしている間に、私はいつの間にか、揚げパンを敬遠するようになった。
なぜだろう。敬遠するつもりもなかった。むしろ好きのままだったはずだ。
なのになぜ揚げパンを食べなくなってしまったのか。
私たちの揚げパン愛はそんなものだったのか。
揚げパン熱はそこまでのものだったのか。
ある日、家族でドライブしていると、あれは鴨川の海だったかそこらだった気がする。
そこそこ長い間車に揺られ、長い海を眺めていると、運転中の父が言った。
「あれ~~揚げパン売ってんじゃん!」
私が見つめた先に移動販売の車に大きく書かれた「揚げパン」という文字が目に入った。
そのときに感じたノスタルジーと言ったら何物にも代えがたい。
何と言ったら正しいんだろう。
とにかくいろんなものを感じたんだな。
今日はなんだかじじくさい文章になってしまった。以上