IT/イット"それ"が見えたら終わりを観たよ
2017年公開。監督はアンディ・ムスキエティ。原作はスティーブン・キングによる『IT』。出演はビル・スカルスガルド、ジェイデン・リーバハー、ジェレミー・レイ・テイラー、フィン・ウォルフハルト。ジャンルはホラー。
本作は1989年公開映画の『IT』のリメイクであり、不気味なピエロ「ペニーワイズ」に翻弄される人々を描く。
このペニーワイズがITという存在であり、冒頭の主人公の弟が下水道で見つけるシーンからお前どんだけ登場すんねんと言わんばかりの尺泥棒なのである。まさにアメリカ版呪怨であり、呪怨のトシオ並に登場するもんだから視聴者も段々ペニーワイズに恐怖を感じなくなる。
それどころか、陽気にも見えるペニーワイズを可愛いと錯覚してしまう人もいるだろう。それよりも赤毛の不良娘ちゃん・ベバリーのお父さんの方がサイコ気質があって怖い。ショーシャンクの空にのボッグズに狂気性を加えた感があって一瞬同一人物だと思ったけど違うんだね。
それではあらすじを語ります。
物語は吃音の主人公ビルの弟が下水道で見たペニーワイズによって殺されてしまうシーンからはじまる。
弟を失ったビルは仲間達を集め、弟を殺した犯人探しをするよう提案するが、仲間たちはビルの言うことに対し、否定的な態度を見せる。
仲間達は自らをルーザーズ・クラブ(負け犬たち)と称し、いじめっ子たちから逃げる日々を過ごす。
しかし、ルーザーズ一同が日々の生活の中で異変を感じるようになる。
そこにはペニーワイズの影が潜めていたのだった。
そんなルーザーズは街の探索をしていき、街に潜む秘密を解き明かそうとする。
ひと夏の物語を描いた青春のような日々を過ごしながらペニーワイズの影が潜めるのだった・・・
とまあーペニーワイズが怖いというだけではなく、本作では自らをルーザーズと名乗るナ―ディー・ボーイズが登場するわけでアメリカ文化を知る上でもかなり役立つのではなかろうか。
おまけにキング作のスタンド・バイ・ミーを彷彿させるような設定に興奮する視聴者も多いだろう。
アメリカでは人の見た目に対する発言はタブーとされており、日本でいうところの政治・宗教の話ぐらい重たい話題である。しかし、本作に出てくる主要人物たちは皆小学生である。
主人公の吃音に対していじめっ子がいじったり、太っている少年、黒人の少年に対し容赦ないいじめをするなどアメリカの実情を描いているところもリアルである。
そして俺は思ったがIT/"それ”とはなんだったのだろうか。本当にキングが描きたかったのはペニーワイズだったのか。
子どもからするとピエロは恐怖の対象である。俺が幼い頃はデーモン小暮が怖かったのである。
子どもが恐怖と感じる者=白塗りの人であれば大人の恐怖とはなんだろうか・・・
因みに俺は人間が怖いですw
ということで夏にぴったりな映画特集でした。今回は以上でーす。